●神奈川県連・遭難緊急時対応会議・簡易報告 ●

■日時&場所
2005年11月1日(火)
かながわ県民活動サポートセンター
■司会:熊谷修治
(救助隊隊長・アルパインクラブ横浜)

■0.はじめに
 

 2005年夏は神奈川県連から不幸にして2件の山岳遭難死亡事故を発生させてしまいました。県連救助隊も出動しましたが、十分な活動ができたとは言えません。
それらの諸問題を改善するために、今回の会議では遭難緊急時の各会および救助隊の体制を話しあうものとして企画されましたが、私が知る限りおそらく県連としては初めての試みで、その意味でとても有意義なエポックだと思いました。
 このような会議は少なくとも年1回は開催するべきだと思います。
(2005.11.02 遭対部長代行:鳥越章夫・小田原ナーゲル山の会)

■1.各会における緊急時の体制の取り方について

・ まず当該会で体制を整えて、県連にはまず「一報」を行うこと。(※「要請」ではない)
・ 地元警察にも「一報」を入れる(※「要請」ではない)これは地元の情報を得るのに有利。
・ 正式に救助「要請」があった場合は、救助活動の主導権は県連救助隊に移行する

★「県連救助隊・救助要請規定」の存在を知らない会がほとんどであった。
  (誰に要請すれば良いのか? 要請内容はどのようにすればよいのか?)
→「事故第一報、救助隊派遣要請電話受信マニュアル」「捜索救助要請規定」をもとに
連絡をしてください。(※ 今後、各会の担当者に配布予定、県連ホームページへ掲載予定)

<<< 遭対部としての今後の対応 >>>
(1) 上記のような体制は、会によって様々で、体制が十分でない会も。

(2) 各会の緊急時の体制がどのように取られているか把握する

(3) 遭対部員の拡充および各会との密な情報交換、担当者の交代などの把握。

(4) 上記に関連した重要な資料は各会の代表に配布

(5) 将来は必要な資料を県連HPからダウンロード可能とする(※情報の共有化)

■2.県連へ救助要請した後の当該会の行動 

・ 基本的には「県連救助隊出動マニュアル」を参考にしてください。
・ 計画書を県連事務所への送付
・ 県連事務所の確認(住所、電話、地図等)
・ 県連事務所の外カギ保有者とその連絡先の把握
・ 県連との指揮系統の確認
・ 活動中の県連事務所への会員の詰め(副本部長1名は当該会から)
・ 家族対応は基本的に当該会

<<< 遭対部としての今後の対応 >>>
(1) 緊急時、各会担当者が迷わないよう県連事務所の地図や道順の資料を作成し各会担当者に配布。

(2) 遭難は普段起こらないだけに、緊急時の対応のノウハウは一部の経験豊富なベテランに頼っている。それらのノウハウをマニュアル化する。

(3) 上記の情報を文書化し、各会に配布。そして電子文書を県連ホームページに掲載し、即座に取得可能とする

 

 

 

■3.救助隊出動後の行動について

・基本的には「県連救助隊出動マニュアル」を参照のこと。
● 会でやるべきこと ●
・ 救助は県連に要請するが、会のやることはとても多い(事後処理、家族対応、お礼、などなど)
・ 基本的な遭対活動は会で行い、県連は捜索活動のヘルプを行うというスタンス。
・ まず会で良く話し合ってから県に要請。(出前を頼むような感覚で安易に救助要請はしない)
・ 家族対応については当該会が最初(会の初動:現地へ様子を見に行く)からきちっと対応をする。必要なら県連に相談してもらえれば、アドバイスはいたします。

■4.まとめ 

(1) 各会の遭対担当者が、緊急時に「何を」「誰に」「どのようなタイミングで(警察、県連のどちらに相談するのか?なども含めて)」「どのような手段で」連絡すれば良いのか。連絡後は、どのように行動するのか、情報が不足していることが判明しました。

(2) 上記のことを解決するための方針として、緊急時対応マニュアルの整備が必要です。
→「県連救助隊・救助要請マニュアル」「県連救助隊・出動マニュアル」
→「県連救助隊・捜索救助要請規定」

(3) 県連救助隊が「どんな組織で」「何ができて」「何ができないのか」、「警察の捜索隊との違いは何なのか」などの情報が各会の担当者に伝わっていないと、担当者もどのように県連に相談してよいか迷う。(→ 「救助隊・通信」などの情報誌の発行が必要か?)

(4) 救助活動についてのノウハウ情報の共有化の必要性
O 基本は「救助隊・出動マニュアル」に従うが、逐次整備、情報の更新、刷新が必要
O それ以外にも、中山氏、入木田氏に代表されるような、経験豊富なベテランのノウハウが不可欠。それらノウハウを文書化し、遭対部員、救助隊員、各会と情報共有する必要あり。

(5) MLなどを活用して、県連遭対部、救助隊、事務局、各会担当者との密な情報交換の必要あり。

(6) (2)(3)(4)などの重要な資料は、電子化して、県連HPを活用し、 各会の担当者が最新の資料を緊急時にはいつでもダウンロード可能とする。(※個人情報保護やセキュリティの問題をクリアしつつ)



 

● 遭難対策活動に対するご協力のお願い ●

2005.11.01 神奈川県連・遭難対策部


 県連のみなさんが既にご存じの通り、神奈川県連では「遭難対策部」から「救助隊」を分離し、それぞれ独立した組織として運営してゆこうとしています。

◆ 遭対部から救助隊を分離し独立運営する理由と目的 ◆

(1) 「救助隊」は遭難時に活動するための組織、「遭対部」は遭難を未然に防ぐために活動するための組織、という活動の主旨の違いが明確になってきました。

(2) 近年の遭難事故増加により、現在の遭対部活動のボリュームが増加し、現状のスタッフでは必要とされる任務や業務を処理しきれなくなってきました。

(3) 近年のクライミングおよびレスキュー技術の進歩により、救助隊は集中して技術の習得や普及を専門的に行う必要が生じてきました。

(4) 一方、救助隊分離後の遭対部においては、「事故の分析」「事故未然防止のための対策」といった本来の活動をしてゆきます。具体的には「登山者の心理」「地形図などの事前準備」「日常の体力健康維持」といった技術以前の側面に注目した講習活動などです。

上記のような様々な活動を行うためには、現状でも少ないスタッフを大幅に増強する必要に迫られています。そこで、下記の内容を会員のみなさんにお伝えいただきたいのです。

■ 県連・遭難対策部の活動へのご協力のお願い ■

(1) 各会から遭対部の運営をお手伝いいただくスタッフの派遣を是非ともお願いします。

(2) 遭対部員は必ずしも専門的な知識を持つ人間だけが必要ではありません。むしろ事務処理などの活動のバックアップを行う人材も含め、層を厚くすることが重要です。

(3) ハイキングクラブなのでクライミングはしないから、という理由で人材派遣に消極的な会が一部あるようですが、実際に事故が増加しているのは通常の登山なのです。

(4) 同様に「人数が少ないから」という理由もありますが、会員数の少ない会こそ、非常時には県連の力が必要になるのではないでしょうか。ぜひ前向きにお考えください。

(5) これは労山活動全体に当てはまりますが「労山活動に参加すると自分の山に行けなくなる」という意識があるようですが、それは間違いだと思います。100の仕事を5人で行うと20の作業量ですが、同じ仕事を500人で行えば、0.2の作業量で済みます。労山会員で力を合わせて人材を適材適所し、任務を負荷分散してゆけば、誰も負担になることなく充実した活動を行うことができるでしょう。

(6) 多くの会があり、多様な人材の存在する労山という組織は貴重な場です。その活動に参加するということは登山に限らず、自己の経験を深める絶好の機会だと思います。縁あってそのような組織に所属したのですから、ぜひ積極的かつポジティブな姿勢で労山活動に参加していただけることを望んでいます。

■ 以上、どうぞよろしくお願いいたします。 ■