●教育遭対部情報・『山のハイテク機器』●
小田原ナーゲル山の会・鳥越章夫
◆連載・第1回:『電池のお話(前編)』◆
■§1 はじめに
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世間ではIT革命と騒がれているように、最近の科学技術の進歩はめざましいものがあります。私たち山ヤさんも、少なからずその恩恵を受けているのではないでしょうか(新たな通信手段として認知されつつある「携帯電話」などは一番身近なものでしょう)。
そこで今月から、不定期連載として、「山で役立つハイテク機器」について、その特徴、活用方法などを紹介させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
ハイテク機器は便利なものですが、決定的な弱点があります。当たり前のことですが「電気がないと動かない」ということです。山では100Vコンセントはもちろんありませんから、「電池」のご厄介になるということになります。そこで連載第一回では、全てのハイテク機器の動力源である「電池」についてお話いたしましょう。
■§2 電池とは
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容器の内部で化学反応によって別々の電極に電圧差を生みだして、電流を発生させる装置のことです。「電気を発生する小容器である」ぐらいのことは誰でも知っていますよね?
難しいリクツは抜きにして、ここでは「化学反応」ということに注意してください。というのは、この化学反応というのは「気温によって反応速度が変動する」からです。温度はつまるところ物体内部の分子の振動エネルギーですから、要するに
「寒いところでは化学反応は鈍る=電池の電圧は下がる」
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ということを知ってください。
ですので、以下のような使い方のポイントがあるわけです。
■§3 山で電池を使用する時のポイント
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・低温下では電池の寿命は短くなるので。スペアの電池を必ず用意して、
それを内ポケットに入れて暖めておく
・必要ないときには不必要に使わない。
(例:テントでランタンなどがあり十分明るいときは、ヘッドランプのスイッチは
こまめに切っておく。)
・<その他の注意点>電池を交換するときは全て一度に交換する
■§4 電池の種類
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ひとくちに電池といっても実に様々な種類があります。(あなたはどれだけ知っていましたか!?)
(1)マンガン電池(赤ラベル/黒ラベル)
(2)アルカリ電池
(3)充電式・ニッケル・カドミウム電池
(4)充電式・ニッケル・水素電池
(5)リチウム電池
(6)充電式リチウム・イオン電池
(※ 他にもまだまだありますが、一般的に山で使用されると思われるものだけ挙げました)

◆写真1◆
各種電池の種類、左から、マンガン電池、ニッケルカドミウム電池
アルカリ電池、リチウム電池(※リチウム電池には様々な大きさがあります)
■§5 様々な電池の特徴
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(1)マンガン電池
通常私たちが目にする中で、一番使用されているのがこれです。某ウィスキーのように、赤ラベル/黒ラベルという2種類があり、黒の方が持続力があります。
−−− 長所 −−−
◆安い
◆入手が容易。
−−− 短所 −−−
◆寒さに弱い。
◆長時間機器の中に入れたままにしておくと「液漏れ」が起きて
機器に重大なダメージを与える。
◆充電はできず、一回使用したら使い捨て
(2)アルカリ電池
−−− 長所 −−−
◆マンガン電池よりも3倍ほど持続力がある。
−−− 短所 −−−
◆マンガン電池よりも高価
◆マンガン電池ほどではないが、やはり寒さに弱い。
◆充電はできず、一回使用したら使い捨て
(3)充電式・ニッケル・カドミウム電池
−−− 長所 −−−
◆充電(2時間〜8時間ほど)することによって
300回ほど、再利用することができる
◆電圧が高いレベルで維持される。
(マンガン・アルカリは徐々に電圧が下がるが、ニッケル系電池は
電圧が高く維持されて、急に下がる。)
−−− 短所 −−−
◆初期投資が必要。(電池1本400円、充電器2〜3000円ほど)
◆廃棄時に有害なカドミウムが出る。
◆マンガン・アルカリ電池に比べて、やや重い。
◆最後には電圧が突然下がってしまう。
(冬山でヘッドランプに使用中、容量が無くなると「スーッ」と突然真っ暗になる)
◆実用上は問題ないが、なぜかマンガン・アルカリ電池に比べて電圧が低い。
(マンガンは1.5V、ニッケル系電池は1.2V
もっとも、マンガン電池は使用するにつれて徐々に電圧は下がってゆく)
◆完全に放電させてから充電しないと持続時間の低下が起こる。
(『メモリ効果』と呼ばれ、このため電気容量の管理が難しい)
(4)充電式・ニッケル・水素電池
この電池の特徴は、ニッケル・カドミウム電池とほぼ同様です。ただし補足として以下のような特徴があります。
−−− 長所 −−−
◆ニッケルカドミウム電池よりも、1.5倍ほどの持続時間がある。
◆廃棄時に有害物質を出さない。
−−− 短所 −−−
◆初期投資が必要(電池1本600円、充電器3〜4000円ほど)
◆充電時の電圧管理がシビアである。
(ニッケルカドミウム電池の充電は少しくらいルーズでも良い。§6を参照)
(5)リチウム電池
軽量で高性能。最近注目されている電池です。形状としては、一般の単3型の他に、コンパクトカメラなどに使用される CR2,CR5,CR123 などがあります。最近はこのコンパクト型のリチウム電池を使用したヘッドランプもよく見かけるようになりました。
−−− 長所 −−−
◆アルカリ電池よりもさらに3倍ほど持続力がある。
◆気温低下による電圧低下が少ない。
◆軽い。(マンガン系の電池に比較すると2/3ほど)
◆経年変化が少なく、室温でほぼ10年は性能を維持できる。
−−− 短所 −−−
◆充電はできず、一回使用したら使い捨て
◆高価である(一本3〜400円ほど)
(6)充電式リチウム・イオン電池
−−− 長所 −−−
◆軽量にもかかわらず、高電圧を長時間維持できる。
◆メモリ効果のない充電・再利用が可能。
−−− 短所 −−−
◆低電圧にできないので、汎用の単3型がない。
◆放充電管理を厳密にしないと爆発!の危険がある。
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以上、各電池の紹介と特徴を簡単に説明しました。次回
『電池のお話(後編)』では、それぞれの電池の特徴を生かして、
「どの機器にどの電池が向いているのか」ということを具体的に紹介します。
どうぞご期待下さい!
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