●県連・救助隊訓練報告●

【日程】2002年11月16(土)〜17日(日)
【場所】東京都・奥多摩町・日原渓谷

 今回のトレーニングでは、県連の救助隊隊員および一般会員の有志が参加して、実際の岩場を使って、本番の事故を想定した実践的な搬出トレーニングを行いました。

<遭対部スタッフ>
大河内彩子、宮沢春美(裏山探検隊)
中込竜夫(カモの会)
鳥越章夫(小田原ナーゲル山の会)

<隊員+会員(敬称略)>
大澤、海輪、石川、泥谷、小林、西村、

●写真右→ 訓練の準備をする隊員たち



●写真左← プルージック登攀の訓練

 クライマーに事故があったときは、ビレイを仮固定して、固定されたロープを使って、一人で登らなければならない。2本のプルージックロープをハーネスと足にかけて、交互に登ってゆく。
 なお、プルージックは他のフリクションノット(クレイムハイスト、カラビナバッチマンなど)でもよいが、それぞれ長所短所があるので、色々試してみて自分の使いやすいものをチョイスすること。
 また、巻き数によってフリクション(摩擦)が増減するので、訓練を通して慣れておきたい。実際には、使用するロープの摩耗度などによっても変化するので、臨機応変の対応が必要となる。



●写真右→ 懸垂下降途中の仮固定

 壁面途中で宙づりになった事故者の救助など、懸垂下降して救助に向かわなければならない。そのときは、ミュールノットを使って仮固定をする。この結びもスムーズに使えないといけない。
 なお、ディジーチェーンなどを使って、エイト環を少し上にセットして、ハーネスにカラビナをつけてワンターンさせると、仮固定がしやすくなるので覚えておこう。
 下降器具を万一なくした時のために、カラビナのみを用いた、ムンターヒッチ(半マスト、イタリアンヒッチとも言う)での懸垂下降もマスターしておきたい。



●写真左← 墜落制動訓練

 クライマーが墜落したとき、それを止めるための訓練。この時は、袋に砂を詰めて、60Kgほどのおもりを落として訓練をした。
 墜落したときは、落ちる距離が長くなれば長くなるほど、加重が大きくかかる。素早く止めるのは大事だが、しかし急に止めてしまっては、支点にショックがかかるし、ビレイヤーも衝撃を受ける。コツは、少し流して、ショックを吸収しながら徐々に速度を低下させながら止めるのが理想。(もちろん、グランドフォールをしない範囲で行うのは言うまでもない)



●写真右→ 自己脱出訓練

 墜落したクライマーを制動した後は以下の手順で自己脱出を行う。

(1) 確保器の部分をミュールノットで仮固定
(2) フリクションノットを用いてメインロープを支点に固定。この時、ムンターミュールやマリナーノットを使用すると、解きやすい。
(3) 仮固定を解いて脱出
(4) 念のために、メインロープをムンターミュールで支点に固定。



●写真左← 担架搬送訓練

 ロープを引き込んでピンと張り、そこに担架をセットして、チロリアンブリッジで引き上げる。担架をつり下げる時は、最後のセット部分をムンターなど、調整のし易い結びにすることを忘れないこと。これによって搬送中の担架の角度を調整できる。



●写真右→ 担架引き上げ訓練

 チロリアンブリッジを使って担架を引き上げる。傷病者+担架は相当な重さ。引き上げるときは、もちろん、1/3システムを使って引き上げる。セルフレスキューならいざしらず、組織レスキューの時には、スピード、効率面から、ユマール、プーリー、ストッパーつきプーリーなどの専用器具が欠かせない。

■文責:鳥越@小田原ナーゲル